品川区民オンブズマンの会では、今回の東京地方裁判所判決を受けて、 品川区議会の各会派に対して、政務調査費について公開質問をおこないました。
公開質問では、以下の各項目について、会派の考え方をたずねました。
1.政務調査費の支出内容について、個々の支出の具体的内容と支出の必要性についてどう考えているか。
2.政務調査費の支出内容について、区民が参加した何らかのチェック機関を設けることについてどう考えているか。
3.政務調査費を飲食費に支出することについて、どう考えているか。
4.政務調査費をタクシー代に頻繁に支出することについて、どう考えているか。
5.政務調査費が目的外に使用した場合、使用額の返還だけでなく何らかの制裁をかすことについてどう考えているか。
(1)の質問について
2つの会派(生活者ネットワーク、共産党区議団)から、政務調査費の使途をより明確にするために、領収書の提出だけでなく、使途内容がわかるように説明を加えるべきことに積極的な回答をいただきました。われわれオンブズマンの会では、政務調査費の個々の使途を区民が知りうるような形で具体的に説明することは、税金を託されたものとして当然の義務ではないかと考えています。
(2)の質問について
チェック体制の改善については、2つの会派(生活者ネットワーク、共産党区議団)から積極的な回答をいただきました。われわれオンブズマンの会としては、監査制度の改善はもちろんですが、政務調査費についての現状をあらためていくためには、区民が参加した何らかの審査機関をつくっていく必要があると感じています。
(3)の質問について
「政務調査費を飲食費には一切支出していない」という会派がいくつもありました(生活者ネットワーク・無所属、品川区議会無所属の会、共産党品川区議団)。こういう会派が品川でも増えつつあることに、われわれオンブズマンの会でも心を強くしております。これからも、これからも区民の税金がどう使われているかしっかり見届けたいと思います。
(4)の質問について
タクシー代への支出については、議員さんの側もまだあまり問題意識をもっていない印象を受けます。しかし、広報活動費の大半がタクシー代という会派もあり、これが政務調査費の本来の使用目的にかなうかについては今後ぜひ問いただしていかなければならないと思います。
(5)の質問について
残念ながら、政務調査費が本来の目的外に支出されることを完全に防ぎきることは不可能です。目的外支出が見つかったときに、その金額を返せば事が済んでしまうのであれば、「やり徳」になってしまうのではないでしょうか。民間人が公的な補助金を目的外に使ったら、刑事罰すらかされます。それを考えると、議員さんの目的外使用についても、何らかのペナルティは必要ではないでしょうか。
最後に
残念ながら、今回の公開質問に対しては全く回答されなかった会派があります(品川自民党、品川区議会公明党)。回答しない理由があったとも思いますが、ぜひその理由を明らかにしていただきたいと思います。また、裁判進行中であり中立性を保つうえからもコメント出来ないという会派(品川区民連合)もありました。裁判が進行中であることは確かですが、公開質問への回答と裁判とが直接に関係するとは思えません。少なくとも、裁判と間接的にかかわりのある質問事項B以外については、ぜひご回答をしていただくことをお願いします。